オスカー像の誕生
オスカー像は、1927年にアカデミー賞の選考をする映画団体・映画芸術アカデミー(AMPAS)が発足し、その後の晩餐会で、授与式で映画の業績を称え、授与する「トロフィー(=オスカー像)」について議論がされました。
デザインは美術監督(MGM社)だったセドリック・ギボンズ氏、製作にはロサンゼルスの彫刻家・ジョージスタンレー氏の両名が任され、オスカー像が誕生しました。デザインは、セドリック・ギボンズ氏が、会議中に殴り書きしたスケッチが原画となったという一説もあり、そのオスカー像は、フィルムリールの上に立ち、両手で剣を握る騎士の姿をしています。
オスカー像は、1929年5月16日の最初の授賞式から、1999年3月21日の第71回授賞式までのアカデミー賞で、合計2,286個が贈られています。
また1949年までに贈られたオスカー像には、シリアル番号のようなものはついていませんでしたが、(1949年授与分より)501番からスタートし、それ以後オスカー像の「後のかかと部分」には、番号がつけられているそうです。
オスカーの名の由来
オスカー像は、正式な名を「アカデミー・アワード・オブ・メリット」といい、大賞、優秀賞などの意味があります。
このアカデミー賞で授与される、オスカー像は、あまり正式名称でよばれることがなく、ニックネームの方が良く知られています。また、本国アメリカの公式サイト名称も「オスカー」です。
その「オスカー」の名の由来については、起源等明らかでなく、複数説ありますが、有名なものとして、アカデミー賞の選考をする映画団体・映画芸術アカデミー(AMPAS)の司書(のちにエグゼクティブ・ディレクターとなった)であったマーガレット・ヘリックが、事務局に届いたオスカー像を見て、「この像は、おじさんのオスカーに似ている」と言ったため、アカデミーの職員がオスカーと呼ぶようになった、という説が有力説のようです。
その他に、ジャーナリストである、シドニー・スコルスキーが第6回授賞式で書いた「オスカー君はヘップバーン(キャサリン・ヘップバーン)へ」が、オスカーの名を初めて文字にし、その記事が最古といわれています。
また1935年(第8回)に行われたアカデミー賞で、「Dangerous」(青春の抗議)の作品で、主演女優賞を受賞した、ベティ・デイヴィス(Bette Davis)が、初受賞で喜びのあまり客席にいた、当時夫であったハモン・オスカー・ネルソンに向かって、「オスカー、やったわよ!」と叫んだことから広まったという説と、トロフィーの後ろ姿が、夫のハモン・オスカー・ネルソンの後ろ姿にそっくりだったことから、はじめ業界の隠語としてそれが広まり、その後一般化したという説などがあります。